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HIBIKI column vol.4

毎年毎年どこからかショーの依頼が入るのは本当に有難いこと。

同時にプレッシャーもありますが・・・ いつも思うことは、「今まで見たことのない事をしてやろう」って事。
私、人を驚かせることが好きみたいです。
ということで、今回は、10月に出演したEUROPERVEというオランダのイベントについて少しお話しましょう

実は私、今年は4回オランダでショーをすることになっていて、3月1回、10月1回、11月2回。 やっと7年間、地道に海外でショーをし続けてきた甲斐が見えてきたという事。
なんでもそうですが、苦労をなくして前進はしません。
継続をなくして人は自分を見つけてくれません。
で、で、で、そのEUROPERVE、私が唯一「出たい!」と思って出れずにいたイベントなんです。主催であるラバーメーカーのDEMASKのオーナーチェンジとかいろいろな事情でこのイベント自体も4年間開催されずにいたし。

そしてそのDEMASK、、、、実は私が初めて買ったラバーメーカーでもあり、縁が深いですね。
その当時、私はラバーという素材を知らず、丁度アブソルトを作って数年が経ち、やっと単体でDVDがだせるかどうかという立ち位置の時期でした。 自分のウリがわからず、でもやるからには多少は売れたく、、、途方に暮れているときに 私の先輩女王様がオランダから1式買ってきてくれたのがDEMASKでした。

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黒に赤のラインの入ったコルセットにブラ。ロングフリルのパンツ・・・ 髪を赤く染めだしたのもこの頃です。
正直、ギャラの数倍した衣装でしたが、当時の私には手元に残るお金よりも、 一生残るパッケージの出来栄えの方が大切だと躍起になっていたことを覚えています。
結果は、、、、なんと1000部完売。 ほとんどのSM作品が完売になる前に廃盤になってしまう今日、1000部完売という偉業を果たせたのでした。

それ以来、私の中でDEMASKは特別な存在で、そこから私のラバー好きは始まり、世界各国のラバーメーカーの衣装を買い求める日々が現役時代も続いたのです。
そして縁が合って4年ぶりに開催されたこのパーティーにパフォーマーとして出演できる・・・ 私は感無量でした。
そしてアブソルトが10周年を迎えた今、「原点回帰」の時期なのかもと無性に感じました。 私があの頃抱いていた不安・・・

10年を経て、もう一度DEMASKをきてステージに立ちたい。

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毎日が不安で、1女王として自信が持てなくて、衣装を鎧にするしかなかった。
そして、この王道的なブランドで私は女王として確立していったのに、 私はいつしかこの王道から離れていった。
鉄板的な選択が嫌だった。もっと開拓したかった。新しい女王になりたかった。
私は、久しぶりにサイトを見た。
HPはリニューアルされ、幾分現代的にはなったけど、変わらない王道的デザイン。
でも今ならわかるんだ。 王道には王道の定義がある。そこから大きく道を外さない意味。
DEMASKは、あくまで黒にこだわった色展開が多く、少し厚めのテクスチャー、無駄に多いバックルが特徴で、好き嫌いが大きく分かれるブランドだと思う。
全てが、フェティッシュというよりBDSM まさしくSM愛好家のためのブランド。
私はその中で数点新しい衣装を選んだ。10年前と同じようにギャラの数倍する金額を。
それが届いて袖を通したとき、私は10年前を思い出した。
「何も変わってない。」 この感情は、M男が久しぶりに古巣に戻った時に感じる気持ちに似てるのかも。
「何も変わってない。」 アブソルトもそうかもね。
もちろん女王は変わっていく、時としてアブソルトは王道過ぎて新鮮味に欠け、新しいものを人は求めるのかもしれない。
それも吉しとしよう。でもね、数年後、ふと思い出したようにもう一度私たちの扉をノックして欲しい。
その時あなたは変わらないアブソルトのスタイルにタイムトリップを感じるだろうか? 変わらない私をみて、その頃の初々しさや当時の状況を鮮明に思い出すのだろうか?
だからね、私は、その初恋のような初々しさを君たちと共有したく、このまま王道を貫いていくよ。
「女神のような母性溢れる心で、時に厳しく、時に優しく貴方を支配し、貴方が辿り着きたい場所まで導く(導師)それが女王」
10年前に私が理想とした女王のスタイル。
何年たっても記憶は消えない。人は再び原点に戻っていく。
王道の良さ、忘れるべからず。

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