1人の為だろうと大勢の為だろうと時間と条件が合えば何処でもいく。
それは決してお金ではなくて。
ホテルに到着すると、私は部屋中の収納を全てチェックする。
そして幾つかのポイントを決めてからスーツケースを開ける。
全部の中身をだして1つ1つ片付ける。
この日は、お一人様の為。
下着、毛皮、、レオタード、レース、エナメル、レザー、ストッキング、ハイヒール、ブーツ、オープントゥシューズ、アクセサリー。1人の為だけに準備。
もちろん髪型も、メイクも全てその都度変える。
一通り用意が出来たら、今度はホテルを探索。
廊下へでて防音をチェックし、ラウンジを利用し、プールとジムの位置を把握。
だって、セッションは部屋の中だけとは決まってない。相手の要望を聞いて、相手の意表をつく提案をしてやりたい。
大抵寝るのは夜中2時を回る。
朝5時には起き、メイクをする。
大抵、朝8時から9時にはM男が来る。
酷いと、朝6時から一緒にプールでひと泳ぎする。セッションじゃなくガチ(笑)
ミストレス、クロールと背泳ぎ位は、たしなめないといけない(笑)
もう不健康が代名詞って時代は終わったね。
朝食を一緒に食べる場合も気が抜けない。
彼等は私が何を食べるかチェックして妄想してるから。
もちろん、スパイシーなものとかヘビーなもの食べません。
あと相手の皿を見て、相手の好みに合いそうなものを食べます。
だからテーブルマナーも必須。
この日は幸運にも、お一人様プールと朝食。
その後さっそく今回の依頼者登場。
何をするか話ながら私はクローゼットへ彼を連れて行く。
そこから彼のファンタジーは始まる。
全ては日本にいる時に話した通り。
なのに歓喜の声を上げるのは、想像と実現が一致したからか?それなら嬉しい。
何を着てほしい?
何を使って欲しい?
なら、どんなストーリーにする?
私は質問しながら彼のファンタジーの中にキャストとして潜り込んでゆく。
言語が違う
生活習慣が違う
宗教心が違う
その中で道しるべ役をやるのはプレッシャーだ。
でも、その瞬間が好き。
神経を集中させて五感だけを頼りに私は彼のファンタジーの中で女王となる。
私はSM倶楽部を自分で持ちながらフリーで海外の愛好者のリクエストに応える。
いわばフリーランスミストレスだ。
フリーで活躍する事は、皆自由だしラクだと思っているかもしれない。
しかし実際は、上記の通りラクとは言えない。
自由でもない。
そしてフリーこそ格差の激しいものはない。
店の力を借りず、自分を見つけてもらうと言うのは素人には至難の技だ。
素人は絶対に最初は何処かに所属すべきだと思う。
たしかに、自分のこだわりを最大限に発揮できるのはフリーの良いところかもしれないが、発掘されにくいのもフリーの特徴。
どうやってセルフプロデュースをしていくかが別れ道。
そこはプレイの上手い下手ではない。
まずは人間力や行動力、その後にプレイの上手い下手が関係するのではないかな?と私は思う。だって、SMって人間と人間の信頼関係だから。
フリーで輝く子、所属して輝く子、色々いるが、どちらも間違いではない。
そしてどちらが正解でもない。
もちろん私においても。。。
ただ言える事は、私はチャレンジが好きなだけ。 これからもね。